平成29年度税制改正の役員給与の見直し(利益連動給与)
今回の利益連動給与で改正があったのは次の通りです。
<1>算定指標の範囲の変更
従来の算定指標の考え方は、利益に関するものに限られるのであるから、例えば、株価、売上、配当及びキャッシュ・フローは該当しないものとされていましたが、今回の改定により「株式の市場価格の状況を示す指標」と「売上高の状況を示す指標(利益の状況を示す指標又は株式の市場価格の状況を示す指標と同時に用いられるものに限る)」が追加される。
<2>利益連動給与の算定で用いる指標の期間
従来の算定で用いる指標の期間については、「当該事業年度の指標のみ」であったが、今回の改正により「当該事業年度後の事業年度」又は「将来の所定の時点若しくは期間」の指標を用いることができるようになる。
<3>利益連動給与の範囲
今回の改正により利益連動給与の範囲に以下のものが追加されました。
1)「利益の状況を示す指標」と「株式の市場価格の状況を示す指標」、「売上高の状況を示す指標」(=業績連動指標)を基礎に算定される数の市場価格のある株式を交付する給与で確定した数を限度とするもの。
2)業績連動指標を基礎として算定される数の新株予約権を交付する給与で確定した数を限度とするもの(行使により市場価格のある株式が交付されるものに限定)
3)業績連動指標を基礎として行使できる数が算定される新株予約権による給与(行使により市場価格のある株式が交付されるものに限定)
<4>対象法人
(1)にて述べたとおり、従来は「同族会社」という時点で適用不可でしたが、今回の改正により「同族会社のうち非同族法人との間に完全支配関係がある法人」の支給する給与が新たに対象となる。
いろいろと追加になっていますが、結果的には中小企業の方にはあまり関係なさそうな改正と言えそうですね。
・2017年1月27日 配信
« 平成29年度税制改正の役員給与の見直し(定期同額給与・事前確定届出給与)|| 小規模企業共済とは »